2006 2月 千葉県へ

川底をひとすくいした成果。エビ多数、ギバチ?

1ペアだけいたアカガエル
千葉へトウキョウサンショウウオの生息地新規開拓に行く。
ドシャ降りの中、探すもののアカガエルすら産卵がまだ始まった
ばかりという状態でサンショウウオの姿は無かった。

おもむろに渓流沿いを網ですくうと、おもしろいぐらい川エビが
入る。久しぶりにツチガエルの姿も拝見できた。
久しぶりに見たツチガエル


2006 3月 石川県へ

いざ北陸へ!・・まだ雪だらけで雪素人の私はビビる
北陸地方へホクリクサンショウウオを観察に行く
仕事の隙をみて急遽出かけたが1泊2日なのであまり時間は無い。

とにかく残雪が多くてサンショウウオ観察どころでは無い感じ。
車でポイントを見ながら流すつもりが除雪されて積まれた雪で景色が分からないぞ・・。

山間部では積雪120cmもあり、腰まで雪に埋もれながらの探索だったが案の定
寒すぎてまだ産卵していなかった。
谷水が流れ込む水溜り。 泥の中に潜んでいた巨大アカガエル

雪をかき分け、水場を探すがなかなか見つからない。

谷の水が流れ込む水溜りにはかろうじてイモリやヤゴ、カエルがいた。

このアカガエルは超巨大!過去最高の大きさだった。カエルの産卵もまだの状態で動きも緩慢だ。

夜間観察ではよくサンショウウオと見間違えるイモリ 何のヤゴ?けっこういっぱい見た。
ただの建設会社のアピールにしか見えない立て看板 やっと見つけた成体と卵嚢。
ホクリクの立て看板を発見。地元の人に聞いてみると能登有料道路建設中に見つかって騒ぎになったらしい。
サンショウウオを保護しながら建設してますよ!というアピールなんだろう。

こっそり建設中の道路に入ってみれば小川はあっても周りの山は丸はげでコンクリ補強してある。
いくら水場を残しても生活圏である山の林床が無くては棲息は不可能だ。
ただでさえ伐採、植林は山を乾燥させサンショウウオの棲める環境では無くなる。
能登半島を高速道路が縦断するがいったいいくつの生息地が無くなったのだろう?
道路建設後に近くの湧き水が無くなるケースも実際あるのだ。


2006 4月 隠岐へ

境港は鬼太郎の町として有名。いたる所
水木しげるワールド
たまたま出た高速船。春先は出ないと考えた方がいい
10年ぶりだろうか?隠岐へ行く

休みが2日しかないので東京ー隠岐はしんどい。金曜の夜、夜行電車で米子へ。
米子ー境港、そこからフェリーで隠岐へ向かう。
往路は1日では飛行機では着かないのだ。復路は大阪伊丹まで飛行機に乗り、
新大阪から新幹線で東京まで帰った。

境港からのフェリーは欠航が多いので今度は大阪に前日入りして飛行機を使おう・・。
しかし復路で到着待ちしていた飛行機は着陸寸前に傾き、墜落寸前で急上昇した・・
「あれ乗るの俺?」内心かなりブルーだったが
空港上空を1時間半ほど旋回したあと無事着陸し、私は結局その便で帰る事になった。
すごく揺れた・・。

今回も急遽行く事を決めた為、北陸に続き交通費はまるで割引無し。
交通費だけで7万ぐらいはかかっているはず。
仕事の予定が早く分かれば飛行機代は安くあがるんだけどなぁー。
しかし色々とオキサンショウウオに関して新しい発見と驚きが
多かったので安いもんか・・?
フェリーより隠岐を望む。トイレはゲロだらけ。
よく揺れた。
宿泊先よりサンショウウオ棲息地を望む。
今回は多数見ることができたオキの卵 後肢がちぎれていた幼生
卵嚢はなかなか見る事はできないが
幼生は通年確認できる。
卵嚢周辺には数匹の成体が確認できた。
オキタゴガエル オス オキタゴガエルの卵
オキタゴガエルも隠岐の固有種。
個体数は多かったが痩せている個体が
多かった。


  熊本 宮崎県へ

山中いたる所で崩壊する九州へ!
待ちわびたGW。あまり春は休みの無い私にとって最高の連休である。
7泊8日でサンショウウオ観察に出かけた。

まずは熊本宮崎。連続して台風の被害にあった地域だが源流部棲息地は無事なのか確認したかった。結果として・・ほとんどの源流部に入る事すらできない状態!ただし入れた源流部ではブナ林で土壌が安定している為かそれほどの被害はなさそう。河川の幅が土砂崩れで半分になり分からなかった場所もあったが産卵も確認できた。復旧の見通しが立たない林道も大変多いようだ。植林地帯は保水力が無いからやはり弱いね
県道でもいたる所崩落している。ここ、マシな方。 かろうじて整備された林道。車で通るには勇気がいる
狭い水路だが水は谷水で水量豊富。イモリだらけ。 何匹いるのか興味が湧いて捕獲されたイモリ達
上の水路から動く事無く捕獲したイモリ達。ものの10分で133匹。

雌雄を数えてみると♂127匹
            ♀  6匹
だった。環境の変化や状態にもよるだろうがずいぶんと偏った性比だと思う。
友人に6匹お土産とし、あとはカウント後リリース。

ベッコウの卵嚢。4月より採集禁止となった。

おそらくベッコウの越冬幼生。約7−8cmと大きい。

2006年4月より保護指定を受けたベッコウサンショウウオ。
前触れ無く指定された印象を受けた。

個人的にはネットオークションでの頻繁な売買が指定の引き金になったのだろうと思う。
なぜならベッコウは宮崎県4種では優位な種であるし一番危ぶまれるであろうオオイタが
指定を受けていない・・
ほんとに欲しい欲しいでネットなんかで買ってるとその内全てが保護指定されちゃうよ?
買う人がいなければ売らないのだ。
隣県ですでに指定されていたのでいつか全て指定になるだろう・・とは思っていた。
ネットで目立たなければもう少し猶予があったかもね。
おなじみのアシナシイモリ・・ではなくシーボルトミミズ 沢筋に出たカナヘビ。


2006 5月 高知へ

私は飛行機が大嫌い・・・。特にプロペラ機
熊本から高知に向かう。直行便が無いので一度大阪に戻り、伊丹ー高知へと向かった。

四国はオオダイ、ブチ、ハコネと3種が同場所で見れる場所も多く
生存を賭けたせめぎ合いが繰りひろげられているのだ。
とても興味深い場所で自然が豊富な好きな場所。

清水は限りなく透明で美しいのだ。

オオダイガハラ成体  タゴと同所にあったオオダイの卵嚢
到着した日はオオダイガハラのポイントに向かい、成体十数匹、卵嚢十何対と
まずまずの確認数だったが翌日予定していたブチのポイントは疲れてしまいダウン。
瀬戸大橋を見てやろうと電車で東京へ向かうも爆睡して見れなかった・・。

  栃木県へ

水芭蕉にはクロサンショウウオがよく似合う・・?
高知から東京へ到着し翌日から栃木へ向かう。

あまり1人で出かけていると家族から苦情がくるので温泉旅行という名の
サンショウウオ観察旅行に出かける。今回は家族同伴だ。

子連れなのであまり険しい所は入れないのでトウホクサンショウウオはパスして
車横付けのクロサンショウウオポイントとハコネの幼生を観察する事にした。
こんな汚い水溜りにもクロの卵があるとは・・。 水溜りの周辺。ずいぶん乾燥している。
上とは違う貯め池の卵嚢。生きてるかな? ヒキガエルも産卵に来ている。
初日、まずは車を流して「しょぼーい」環境でクロの卵嚢を発見。
汚い水溜りで2箇所、水深2m程もある貯め池で1箇所、産卵場所を確認。
上画像の水溜りでは10対ほど確認。貯め池では30対ほど確認できた。
あんな開放的な場所の水溜りでは上陸するまでに干上がるのではないだろうか?。
貯め池の卵嚢は殆ど水面に浮いたような情態。死んでいるかもしれない。
しかも水底には多数のドジョウが見られた。よくあんな環境で生きているなという感じ。
ペアのヒキガエル。 黄色味の強いオス。黒い個体もいた。
湿地に現われたヤマカカシ。 嫁が捕まえたハコネの幼生。
やや水中形態の残るオス。 良好な環境のクロの卵嚢
環境の良好な場所(自然林に囲まれた水量豊かな場所)にはかなりの数の産卵数を見る事ができる。
上画像の卵塊は100個体以上のものと思われるが同じ池にこのぐらいのかたまりが15箇所ほどあり、他に小規模のものも多かったので推定2千個体ほどは生息しているのだろう。

夜間観察を行い、成体を確認したが時期的に終了しているのでオス2個体しか確認できなかった。
夜間、山中の沼を1人で歩くのはかなりスリリングであんまり見つからないと恐くなってきて(お化けが・・)
早期撤収してしまうのでよけいに見つからなくなるのだ。

2006 6月 静岡へ

一応アカイシ探しで出掛けてみたものの、まるでサンショウウオの姿は無し。
まぁ下見・・という事で。

オタマを捕食していたヒバカリ オタマの群れ。水中にはヤゴの姿も見かける。

2006 8月 富山へ

夏休みである。
本当は家族で伊豆大島に行く予定だったのだが、台風の影響で中止になり
急遽富山へ行く事に決まった。立山連峰でサンショウウオ観察でもしようかと思っていたものの
あいにくの天気。そういえば「ねいの里」って施設があった事を思い出し行ってみた。

広い公園・・というか里山の中に大型浴場や自然観察施設があり、ホクリクサンショウウオの
移植による繁殖までの定着に成功している。現在約70卵嚢程が確認できるらしく第2繁殖池
も増設されていた。近くにはヒダサンショウウオの棲息する沢もある。

サンショウウオ池の看板。 繁殖池の様子。保護ネットが敷設されている。

2006 9月 南アルプスへ

やっと見る事ができたアカイシサンショウウオ。3度目の正直である。
今回の観察地は保護区なので担当管轄に許可申し込みをしてから観察を行った。
色々と機材の持ち込み規制があり、もちろん採集、捕獲も禁止。
捕獲の定義も場所により違うので確認するのが一番だ。ケースに入れれば御用!である。
この棲息地には熊がかなり多いようなので、もちろん熊除けの鈴は必需品。
情報があまり無いので探すのに苦労したが、見てみればかなり地味なサンショウウオ。
まぁ地味な渋さというものはあるかな。

アカイシサンショウウオを見つけた沢にいたヒキガエル。
虫屋であれば即、オークション行きとなるであろう綺麗な色彩の個体達だ。
(スーパーレッドヒキガエル笑)
野生動物は行きがけの駄賃や小銭じゃないからね。

2006 12月 京都

京都に寄ったついでに知人にイモリが沢山いるという場所に連れて行ってもらった。
15匹捕獲できたが性比は♂14匹、♀1匹。時期によるものなのか相変わらず偏っている。
♂が求愛する時期はうざくて♀はあまり水中にいないのだろうか?
夏はあまりイモリを見る機会が少ないのだが夏場はそれなりに♀の比率も高くなるのだろうか・・?
この場所は山中で昔は野菜を洗ったりしたコンクリ升だそうだが手前半分では全然捕獲できず
奥半分にまとまっているようだった。水深の関係なのか湧き水があるのか・・?
興味って尽きないものだ。少しイモリの文献も読まなきゃいけないな。

個体群としては篠山種族だが典型的な網目模様は1−2匹程しか混じらなかった。
この場所では上画像の模様が典型のようで冬だが婚姻色が強く出ている。

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